手紙やメールなら、拙いながらも精一杯想いを伝えられるのに。
言葉を交わすと、なぜかすれ違う。そう感じているのは私だけかもしれないけど。
大切な人のこと、たくさん知りたいけど、知りたくない。自分のこと、知って欲しいけど、知られたくない。
知らなかったら、傷つかなくて済むから。彼のこと、傷つけなくて済むから。
そんな風に目を背けようとする私を、いつも優しく叱ってくれるんだね。その優しさに甘えていいのか、まだ迷っている私は、ちっとも素直になれなくて、意地っ張りで、そのくせ、寂しがり屋で泣き虫で…

それでもこの手は離せない。一度は私が振り払ったこの手を、彼から振り払われるまでは、、、